「ホタテ味噌バターうどん」というはなまるうどんの期間限定うどんを食べる

味噌の甘みの奥に出汁の風味が感じられ、単に味噌ラーメンの汁にうどんを入れたようなものではない / 2025年10月26日

はなまるうどんは、加古川市に一号店を出した某製麺と異なり、きちんと香川県に一号店を出した讃岐うどんのチェーン店です。なぜか現在は吉野家ホールディングスの傘下にあり、出店地域に偏りはありながらも全国的に展開しています。

この度はなまるうどんに行ったのですが、寒かったのと私が「限定」という言葉に弱いこともあって「 ホタテ味噌バターうどん 」という期間限定うどんを食べました。正直「適当な味噌ラーメンのスープへ適当に麺を突っ込んだもの」と思っていた節もあったのですが、それ以上には美味しかったので、その感動を簡単に書いていこうかと思います。相変わらず感情に対するボキャブラリーが乏しいのですが、参考になれば幸いです。

結論

  1. 味噌の甘みが強いがその奥にうどんの出汁を感じられるスープ
  2. もっちりとした麺と合って美味しい
  3. ホタテを付けるかどうかは微妙かも

ホタテ味噌バターうどん

はなまるうどんは丸亀製麺と同様に、いわゆる「セルフうどん」と呼ばれるスタイルに近しい注文手法で、店舗によって若干異なるかと思いますが、「天ぷら等を選ぶ」→「うどんを注文する」→「会計する」→「ねぎや天かすなどをお好みの量で取る」といった順序です。丸亀製麺とはトッピングを選ぶタイミングとうどんを選ぶタイミングが逆転しているので、「このうどんを食べたい!」という気持ちが高すぎると肩透かしと食らうことになってしまうかと思います。

普段はそこまではなまるうどんに行かないため、天ぷら定期券(今の季節は天ぷらおでん定期券かも)を持っていないのですがちくわの磯部揚げ(160円)を買いました。ちなみに今年の1月23日からねぎを自由に盛れるようになったとのことで、ねぎを好きなだけ(常識の範囲内で)追加できますので、それも考えながらトッピングを選ぶとよいかと思います。

さてホタテ味噌バターうどんを店員さんに注文しました。私以外にサラリーマンとみられる方が1人しかいないような時間帯に行ったので、すぐ出てきました。むしろトッピング等に関して余計に準備をさせてしまってちょっと申し訳なかったです。

はなまるうどん「ホタテ味噌バターうどん」。別皿で出てきたバターを開けうどんの上に載せた状態

上の画像が「ホタテ味噌バターうどん」です。大サイズにすると3玉分のうどんが盛られてきて、おなかいっぱい食べられるのでお得なので大サイズにしました。味噌バターうどんは3種類あり、ベースの味噌バターうどんには、うどん・味噌風味のつゆ・ゆでられたキャベツ・コーン・ねぎが付いてきます。豚肉味噌バターうどんはこれに加熱された豚肉を、ホタテ味噌バターうどんはゆでられたホタテがさらに乗っかるという形になります。

キャベツはシャキシャキで、繊維の触感が残っているような感じでしたが、十分に火が通っており美味しく食べられるようなものでした。個人的にはこれくらいがちょうどいいと思っています。またコーンはサラダうどんに使っているコーンと同様のもので、十分フレッシュ感を感じられました。

スープ(?)は店員さんのオペレーションを観察している感じ、味噌バターうどん用の濃い目のスープと、普通のかけうどん等に使用している出汁を組み合わせているように思えます。こうした限定系のうどんを食べに行く際、某製麺では店員さんに対して申し訳なくなるレベルで複雑なオペレーションとなってしまう(これ、結構重要な観点だと思っています)ことが多いのですが、そこまで複雑じゃなくてよかったと感じました。

味噌ラーメンの味わいには様々なものがありますが、大きく分けて 甘み・しょっぱさ・味噌のコクの3観点が組み合わさっている ものだと思っています。この味噌バターうどんの味わいは、しょっぱさがとても弱くコクもそこまで強くない代わりに、味噌の甘みが前面に出てまろやかな点とその奥に控えている出汁の「うどんらしい」美味しさのバランスがとても良いという点があるかと思います。麺自体にちょっとした塩味があるということもあり、しょっぱさが弱いというところも十分カバーできていると思っています。味噌のコクとしてはそこまで強くないですが、総合的に見て とてもバランスの良い味わい でした。

「ホタテ味噌バターうどん」に使用されているバター(6g)

バターに関しては上の写真のように別皿で出てきました。謎の皿に入っていることは謎ですが、オペレーションのことを考えると妥当な手段だと思いますし、食べる側がバターを入れるタイミングや「スープに溶かして食べるのか」などを選ぶことが出来るというメリットもあります。私は結局最初から入れて食べたのであまり関係は無いかと思いますが、そうした「味変」チックなことをして楽しむのもよいかと思います。

一方、ホタテに関しては微妙かなと思いました。キャンペーンページ2025年10月26日時点でのアーカイブ)を見ると、普通の味噌バターうどんに150円プラスして5個のホタテ(ちゃんと5個ついてきました)が付き、1個あたり30円でホタテが食べられる計算です。確かにホタテを食べる、という観点からすると十分安いのですが、ページが言うように「ぷりぷりのベビーホタテから溢れ出す旨みが濃厚味噌スープに溶け込み、磯の香りが食欲をかき立て」るとは言い難いなと感じました。ホタテはホタテとして美味しいのですが磯の香りは大して強くないですし、旨味もそこまでスープへ溶け込んでいるようには思えませんでした。そのためホタテに期待して食べるとちょっと残念な気持ちになるかと思います。

所感

前のセクションに書いてあるのも十分「感想」というレベルですが、このセクションではもっと感じたことを書いていきます。まず全体としては非常にバランスの整ったとても美味しいうどんだったと思います。特にスープとうどんとの相性の高さはとても良かったかと思います。

上でも書きましたが、うどんに合わせて 味噌ラーメンのスープを「ちょっとだけ」寄せた 、というところがとても良いと思います。これは決して味噌ラーメンの「和風アレンジ」ではないというところがポイントです。味噌ラーメンのスープの美味しさをそのままに、うどんという麺にちょっとだけ合わせたというような味わいでした。

うどんという麺とざっくり言ってしまいましたが、このスープは はなまるうどんの麺だからこそ成立した味 だと思っています。はなまるうどんのうどんは太めでありかつ少し軟らかめにゆでられる傾向があります。このため丸亀製麵のような「切り立った麺の存在感」はそこまで強くないものの、その代わりスープと絡みやすいという特徴があるかと思います。この麺の特徴に対してとてもフィットした味わいで、とても良い商品だなと感じました。

一方ホタテとバターとの絡みはまだまだ微妙だなと思っています。ホタテもバターも美味しいのですが、ホタテは先述した通りその他との美味しさの関係性(?)が弱く、独立した美味しさとなってしまっている点がやはり微妙なポイントです。またバターもバターで美味しいのですが量が6グラムと微妙な大きさであるのも相まって、バターを十二分に生かした食べ方が出来ず、結果として風味程度としてバターを食べることしかできないという点です。前者はうどんやスープと別茹でといった十分に合理的な調理法を使っているので改善は難しいと思いますが、後者についてはバターに対して注力することで改善できるのかなと思っています。

豚肉を100円払ってトッピングしていないので何とも言えませんが、あのスープと麺は油で絡まっているという感じはあまりしなかったので、豚肉に十分な味が付いていなければちょっと厳しいのかなと思っています。その点においては今後の改良を期待するしかないとも言えます。トッピングと言えば有料(100円)で「にんにく味噌」なるものを販売していましたが、わざわざ頼むような人がいるのかなとも思っています。吉野家系列だからかこの前のはっきり言って微妙だった「にんにくマシマシだれ」のノリで作ったのかと思いますが、あのスープとの絡みはどうなっているのかは試していませんが、この前のことを考えると微妙なのかなと思ってしまいます。

そして野菜に関してですが、キャベツ・コーン・ねぎの3つとも、料理全体としての美味しさとして十分にリンクしており、かつそれぞれが消えない程度に十分な存在感があったことからとても満足しています。量としては満足していませんが、味・質としては満足しているという感じです。特に味噌ラーメンの付け合わせとして使われる機会の多い キャベツはとても相性が良く 、うどんとも十分に相性が良いものです。個人的に吉田のうどんという富士吉田地域に伝わるうどんが大好きなのですが、そこでも付け合わせにキャベツが使われています。私としてはもっとうどんの付け合わせとしてキャベツを使うところが打経てもいいと思っているのですがどうでしょうか。

というわけで、全体としてとても良い味のうどんで、他人に対しておすすめは出来るが、まだまだ伸びしろはあるというような感じです。「味噌バターうどん」としての完成度は高いが、トッピングとの接続が悪いともいえるかと思います。今後リニューアルしてもっと美味しくなるといいかと思っています。

関連リンク

最後に

25日の夜に吉野家へ行こうと思ったのですが、店舗側の都合で臨時休業となっておりおなかをすかせたまま吉野家から帰ることとなってしまったため、吉野家グループの一員であるはなまるうどんに行くこととしました。普段は丸亀製麺に行くことが多いのですが、吉野家への情熱(?)が私を突き動かしたのです。

ちなみに25日の夜は松屋へ行きました。期間限定に弱いので肉吸いを食べようとしたのですが、深夜だったからか販売していなかったので「厚切り豚カルビと茄子の辛味噌炒め定食」を食べました。吉野家の定食は無限にご飯をおかわりできるためそのつもりで行ったので、満足感は結果として低いものとなってしまいましたが、これは仕方なかったといえます。とはいえ、普通に美味しかったです。2日連続で外食となってしまいましたが、美味しかったのでOKです。

Writer

Osumi Akari

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