Cities Skylines IIで新たに導入された「水産産業」をやる

デラックス版を購入していた場合は追加コスト不要で良心的 / 2025年11月07日

Cities Skylines II(CS2)は、PCでプレイすることが可能な都市開発ゲームで、リリースされた際はその動作の重さから評価が低かったものの、ゲーム自体の安定性が増しているほか機能が充実し始めたことから、その評判を取り戻しつつあります。

2025年10月30日に配信されたアップデート「1.3.6f1」以降であり、かつDLC「Bridge & Ports」を所有している場合、 都市に漁業を取り入れることが可能 となりました。この記事では追加された漁業の扱い方や楽しみ方について簡単に書いていこうかと思います。

結論

  1. デラックス版を所有している場合、追加費用は不要
  2. 漁業だけではなく、港やフェリーに関する扱いも大幅強化されているDLC
  3. 海や川だけではなく内陸でも魚を増やせる

Bridge & Ports

Bridge & Ports」はCS2のDLCで、2025年11月6日現在2690円で購入することが出来ます。しかしながら、CS2をデラックスエディションで購入していた場合は既に含まれているため、追加費用は不要となっています。

このDLCにおいては本記事の主題となっている漁業以外にも、航路・港・フェリーのシステムや橋といったものに関して盛大な変更が行われています。概要に関しては以下のトレーラー動画をご覧ください。

ここからは、このDLCのポイントをかいつまんで書いていきます。

船関連のシステム

大きく変わった点として船関連のシステムが挙げられます。これまでは「港」の設備が大きく、マップ内での人や物資の輸送には全く向かないものとなっていました。船に関しても巨大なものとなっており小口輸送には向いていなかった他、航路を必ずマップ外へと接続する必要があり、面倒なものとなっていました。

このDLCにおいては「フェリー」といった区分が誕生し、都市内の水路を活用したより小規模な水運を行えるようになりました。これによってアムステルダムのような都市内の主要公共交通機関が船といった街を作り出すことが容易となっています。

他にも貨物港と同様の機能を自ら作ることが可能となっています。無印のCS2においても貨物港はありましたが、特にトラック周りのラインが効率が良いものとは言えませんでした。このDLCにおいては貨物港の機能を分解したセットのようなものがありますので、今回は詳しく触れませんがトラック以外を活用した物流が実現しやすいものとなっています。

これまでも十分な種類の橋が存在したかと思いますが、より多くの橋が導入されています。「1.3.6f1」のリリース記事に一覧が書かれており、日本語とすると以下のものとなります。ゲーム内ではきちんと翻訳されているのですが面倒だったのでこれで許してください。

  • 10の新しい可動橋
    • 2車線の跳ね橋(小道路)
    • 4車線の跳ね橋(中道路)
    • 6車線の跳ね橋(大道路)
    • 4車線の高速道路複線2階建て吊橋(高速道路)
    • 双方向電車軌道の吊橋(鉄道)
    • 複線軌道の吊橋(鉄道)
    • 複線軌道の吊橋(路面電車)
    • 地下鉄複線軌道の吊橋(地下鉄)
    • 斜張歩道橋(通路)
    • 歩道橋(通路)
  • 2つの新しい2階建て橋
    • 2車線+4車線の2階建てエクストラドーズド橋(一般道路)
    • 3車線高速道路の2階建て吊橋(一般道路)
  • 8つの新しい橋
    • 4車線のトラスアーチ橋(一般道路)
    • 2車線の吊橋(一般道路)
    • 4車線のエクストラドーズド橋(一般道路)
    • 4車線の一方通行エクストラドーズド橋(一般道路)
    • 6車線の吊橋(一般道路)
    • 片側6車線の吊橋(一般道路)
    • 地下鉄複線トラスアーチ橋(地下鉄)
    • 木造屋根付歩道橋(通路)

新しいものとしてはやはり可動橋があげられるでしょう。日本において決してメジャーとは言えないものですが、世界中では多くの可動橋が存在しており、(幅の制約は増えてしまうものの)通航可能な船の高さの上限を上げつつ陸上交通も提供するといった重要な役割を果たしています。これを都市に導入することが出来ると、見た目としても面白いですし現実感がより増したプレイが出来るのではないかと思っています。

他にも2階建て橋といったものも面白いでしょう。瀬戸大橋のように上に道路・下に鉄道といった橋を架けることが出来るようになったのは見た目にも楽しいですし建設も楽になることがあるでしょう。

また、純粋に橋の選択肢が増え、特に地下鉄を使用した場合でも見た目に美しい橋を架橋できるようになったことは、地下鉄を地下で留めずに陸上で有機的に動かしたい私みたいな人にとっては朗報でしょう。地下鉄を単なる地下鉄ではなく「都市高速鉄道」として扱える楽しさがより増したともいえます。

水産産業

これに合わせて新たな資源を活用した産業「 水産産業 」が生まれました。扱いとしてはこれまでの農業などと同様、 水面に設定されている資源とそれを取り扱う施設の組み合わせ となっています。といっても加工自体は基本的に工業地域で行われます(もしくは水産資源のまま輸出)ので、漁業の部分のみを集中して行うことになります。

CS2本体でもこれまで資源表示において水産資源を見ることは出来ましたが、実際にとることは出来ませんでした。このDLCによってようやく地図上の表示だけであった水産資源をものにして都市の収入を増やすことが出来るようになるのです。

では、初めに水面上における水産産業を組み立てていきましょう。基本的にはこれまでの農業や地下資源と同様のアプローチを取りますが、今回新たに追加されたマップではその水面の大半で水産資源が大変豊かに設定されていますので、どこでとるかといったこと自体はそこまで悩む必要がありません。まずは 「漁業および海上養殖エリアのハブ」を建設 します。

建設された「漁業および海上養殖エリアのハブ」。下にアップグレード用のメニューアイコンが並ぶ。

これまでの農業や地下資源と異なるものとして、取得するために必要な設備とその取得を行うために設定するエリアが必ずしも1対1ではないことがあげられます。そのため、このハブは後ほど設定する漁業エリア・海上養殖エリアの数だけ立てる必要はありません。これらと「航路」で繋げられれば問題ありません。

「漁業および海上養殖エリアのハブ」の建設が出来たら、これを選択している状態で表示される「アップグレード」メニュー中の左端にあるアイコンをクリックし、埠頭の延長を行います。これは漁船が停まるためのバスターミナルのようなもので、これの上に自動的に「漁船の停泊所(バスでいうところのバス停のようなもの)」が設置されるのですが、 ハブのみを建設した状態ですと「漁船の停泊所」が1つも設定されていません 。「延長」という言葉からは必ずしも行わなくていい作業のように思えますが、事実上必須です。

ある程度の長さに伸ばし、「漁船の停泊所」が設定出来たら問題ありません。その次にエリアの指定を行います。エリアは「アップグレード」メニュー中の左から2番目・3番目のメニューを選んで行います。2番目のものは単に漁業を行うエリア、3番目のものは海面上で養殖漁業を行うエリアを設定します。エリアは通常の農業等のものと類似したものとなっており、その一辺に航路を接続する必要があり、かつそこから円形上に一定範囲の間で設定することが出来ます。設定可能範囲は設定を行う際にマップ上へ表示されますので、バランスを適宜鑑みつつ設定を行ってください。

設定された「海上養殖場」エリア。奥に漁業エリアも見える。

詳しく検証していないので何とも言えませんが、漁業エリアの方が多少コストは安いはずです。しかしながら、海上養殖場の方が網などが海面に浮かびそれっぽいので、見た目を気にするのであれば養殖の方を選んだ方が楽しいと思います。

これが終わったらば、先ほど建設したハブと、ただいま設定したエリアの間を航路で繋ぎます。アップグレードメニュー中には狭い航路ボタンがあり、これで繋げるのが楽でしょう。またシステム的には既存の航路と同一のものですので、マップ中に最初から存在した航路を活用して接続しても構いません。しかしながら、あまりにやりすぎると航路が極めて混雑してしまい、その上に架けた可動橋がずっと上がりっぱなしといった事態になりかねないので留意が必要です。

設定方法はバスや電車、そして既存の航路等と全く変わりません。適切に接続されている点と点の間を訪れたい順番に押していけば勝手にルートが作成されます。

ルートが設定された漁船。既存の航路を通りつつ、海上養殖場エリアとハブの間を往復する設定が行われている。

開始地点に戻ってこれれば完成です。また、水産資源に関しては現状漁船のための専用の造船所等は不要となっており、かつマップ内で完結してもどこからか漁船が生えてくるため問題ない形となっています。このため、考えることが少なくて楽なものとなっています。ルートを設定出来れば自動的に稼働します。

現状それぞれの船がどれくらいの魚を捕っているかを確認することは出来ませんが、ハブにおける水産資源の貯蓄量の変動を見ることで間接的に知ることが出来ます。プレイしている感覚として1つの漁船における漁獲量のリミットは無いように思えますが、こちらも詳細な検証を行っていませんので、ルートがあまりに長い場合は注意する必要があるかと思います。

このようにして漁獲された水産資源は一旦「漁業および海上養殖エリアのハブ」に保存され、その後そのまま輸出されたり、都市内の工業地域で食品やインスタント食品に加工が行われます。そこまで魚を大量に使用することはありませんので、よほど大量に取らない限り渋滞対策はそこまで心配しなくてもいいかと思います。

陸上養殖

今まで説明してきたものは水面上における漁業でした。漁業なので水面上で行うのはある種当たり前のような気がしますが、このDLCには「陸上養殖」といったものも用意されています。

陸上で海の幸・湖の幸を育てている陸上養殖の画像。

これは農業における畜産と同様で、土地の肥沃度は考慮されない(未確認)こととなっており、どこにでも建てることが可能となっています。コスパや面積の観点からして、陸上でわざわざ養殖を行うことは、マップ内に利用しやすい水面が無い限りメリットは無いといえます。

しかしながら、余った土地を有効活用したかったり、石や畜産に飽きたらやってみると面白いかもしれません。一応アップグレードは用意されてはいますが、倉庫の拡張のみであって、デフォルトで存在している100トン分の在庫が満タンになることはそうないかと思いますので一旦はスルーで問題ないかと思います。

最後に

前回のCities:Skylinesに関する記事: 50時間遊んだCities Skylines IIの感想を書く

というわけでCS2のDLC「Bridge & Ports」のうち、水産産業部分のプレイ方法を簡単に説明しました。DLC特有の癖も少なく、現状特に問題は無いような感覚がします。

上に書いた通りデラックスエディションで購入している場合は最初からこのDLCが含まれていますので、気軽に試すことが出来るものとなっています。興味がありかつ環境が整っている方の参考になれば幸いです。

Writer

Osumi Akari

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