日本語版ウィキペディアに「大気の川」を立項した

日本語文献が本当に無さすぎる / 2022-08-31T00:00:00.000Z

先月の28日に日本語版ウィキペディアへ「リック・レスコーラ」の初版を私は投稿しましたが、今月は近頃何かと話題な「大気の川」を立項させていただきました。というわけで執筆していていろいろ引っかかったことをメモしていきたいと思います。私は別に気象学に詳しいわけではないので、間違い等ありましたらどんどん修正してください。

CiNii検索: 「大気の川」

自由研究を大人っぽくする方法でも軽く触れましたが、いい感じのアカデミックな情報を気軽に得る方法としてCiNiiで検索することが考えられます。そのため執筆する対象である「大気の川」でCiNii検索を行いました。その結果帰ってきた結果は充実の4件というものでした。

近頃ニュースでよく聞くようなワードであったため日本語文献を用いて新規立項するつもりだったのですが、この検索結果を見て英語版の「Atmospheric river」を翻訳することにしました。さすがに4件で書けるようなワードではない。

別名が多すぎる

Atmospheric riverという言葉自体は1990年代から使用され始めているのですが、類似の曖昧な概念というのは多数存在したがために別名が多すぎました。一応全部最初の段落に入れ込んだのですが、それだけでも以下に挙げる量があります。

  • tropical plume
  • tropical connection
  • moisture plume
  • water vapor surge
  • cloud band

基本的に英語版に沿って翻訳を行ったためあまり障害にはならなかったのですが、もし一から立項していたらこの量の別名を扱わないといけないと考えるとちょっと厳しいものがありますね。

アメリカ

「大気の川」という概念がアメリカ生まれであること、そしてその被害を直接受けているのが西海岸という関係がある以上、大気の川の研究というものはアメリカがトップを走っているといってよいでしょう。しかしながら今回投稿した文章はちょっとギクシャクしたものになってしまった印象があります。

もちろん私の日本語能力に瑕疵があることが一番の原因であることは言うまでもありません。とはいえ原文には極めてどうでもいいこととしか思えないこと、例えば「報告書の表紙はNASAの誰々が作った~」といったことなどがかなり記されていました。そのため出典を書くのが段々面倒になってきたことからそういったことを途中から書かなくなってしまいました。このことから若干骨が砕けたような文章になってしまったのだと考えています。

Cloudband

オーストラリアにおける大気の川が関連する事象として「Australian Northwest Cloudband」が挙げられていました。取り敢えず「オーストラリア北西部の雲の帯」と訳してもよかったのですが、一応定訳を探しました。

しかしながら「Cloudband」で検索すると、薄々感づいてはいましたがパブリッククラウドへと接続するための回線サービスばかり引っ掛かってしまいました。そのためいい感じの訳語を考え、取り敢えず「オーストラリア北西雲帯」を採用しました。

日本での影響

日本での影響について一応追記したのですが、日本語文献が先述の通り非常に少なかったためニュースの継ぎ接ぎみたいになってしまいました。また本文には入れ込まなかったものの、昨年8月にMBSラジオで筑波大学の助教の方にインタビューが行われていました。

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インタビューは3分頃から始まるのですが、日本における大気の川の影響について聞き流すだけでもざっくり理解できますね。私はまとめた意義が吹っ飛んでしまいそうです。ラジオだけではなく関連文献に挙げさせていただいたものも、2018年と少し古いものですが非常に参考になりました。

関連文献

  • 釜江陽一、Wei Mei、Xei Shang-Ping「日本列島におけるatmospheric river 通過時の豪雨の気候学的特徴」『平成29年度「異常気象と長期変動」研究集会報告』2018年3月、124-127ページ、hdl: 2433/231932
  • USGCRP, 2017: Climate Science Special Report: Fourth National Climate Assessment, Volume I [Wuebbles, D.J., D.W. Fahey, K.A. Hibbard, D.J. Dokken, B.C. Stewart, and T.K. Maycock (eds.)]. U.S. Global Change Research Program, Washington, DC, USA, 470 pp, doi: 10.7930/J0J964J6.

最後に

というわけで英語版の翻訳+日本での影響について軽く追記したという形で立項させていただきました。「大気の川」は日本語圏では完全に情報が報道メインになってしまっていたのであまり理解できていなかった単語の1つだったのですが、少しは理解できたような気がします。

28日にほとんどの部分をまとめて翻訳したのでミスが見られるかもしれませんが、気づきましたら修正をどんどんしていってください。最初に記しましたが、Wikipediaの記事は別に私のものだけではありません。どんどんルールに沿う形で改良していってください。

Writer

Osumi Akari