JTA・Peach・ソラシドエアの機内販売で9月1日からクレカ決済が停止

理由はそれぞれ別としているが開発会社の破産が原因か / 2025年09月03日

飛行機における機内販売は、その名前の通り運航中の飛行機の中で飲食物や記念品などを販売するもので、現金やクレジットカード、その航空会社のマイレージなどの手段で決済を行うことが出来ます。中でもクレジットカードを利用することは、決して広いとは言い難い飛行機の中で財布から現金を取り出し数えてCAの方に渡し、釣り銭と商品と領収書を受け取るといった煩雑な手間を取る必要が無いため、極めて利便性が高いと言えるでしょう。

しかし9月1日より、 JTA (日本トランスオーシャン航空)・ Peach Aviationソラシドエア の3社の便における機内販売において、ほぼ同時にクレジットカードが使用不可となりました。この記事では各社の発表をまとめつつ、その背景についてみていきたいと思います。

結論

  1. 国内航空を運航する3社がほぼ同時に機内販売においてクレジットカード決済を一時中止に
  2. JTAとPeachは機内販売で利用しているアプリの開発会社が破産したことを理由としている
  3. 現状のところこの3社のみで停止している

機内販売におけるクレカ決済が停止

3社のプレスリリースのスクリーンショット

ソラシドエアは8月29日に、JTAとPeachはそれぞれ9月1日にそれぞれ以下のプレスリリースを発表しました。

ここにおいて、ソラシドエアは「機内販売専用決済端末の不具合」を、JTAは「機内販売にて利用しておりますアプリケーションの開発会社から破産手続き開始の通知を受け(中略)今後のアプリ動作環境が不透明である」ことを、Peachは「機内決済システムのアプリケーション開発会社から破産手続き開始の通知を受け、同システムの継続利用が困難な状況となった」ことを理由として、9月1日から機内販売におけるクレジットカードの利用をストップしていることが書かれています。各航空会社で書き方が若干異なっていますが、サービス自体は現状生きているものの今後において不明瞭な点が大きすぎるためにクレジットカードの利用を停止した、というようなところでしょうか。

アプリ開発会社の破産

JTA・Peach・ソラシドエアの3社の機内販売における決済システムを開発した企業に関する情報を入手することが出来ませんでした。8月27日から9月1日までの官報に掲載された破産情報のうちそれっぽい企業について検索してみたものの、明確な結果を得ることが出来ませんでした。

そのため、この3社の機内販売における決済システムを開発した企業が同一か、そしてその企業がどこの企業であるかを明瞭にすることは出来ませんでした。このため(確率は低いとは思うのですが)それぞれ別の企業がほぼ同じタイミングで破産手続開始決定をした可能性がありますので、今後の情報を得る際に留意していただければと思います。

現状のところこの3社のみ

PeachとソラシドエアだけならまだしもJTAが関係しているということで、ANA系のシステム会社ではないと考え、現状日本に本社がある旅客を主に運送している各航空会社のうち以下のリストにあるWebサイトを確認しました。その結果、9月3日の夜現在先述の3社以外の航空会社で同様の問題が発生していないことを確認しました。もっとも、機内販売でクレジットカード決済が使用できないということをWebサイトに出していないだけで発生している可能性がありますので、完全なものとは言えないかと考えられます。

ソラシドエアと経営が統合されているAIRDOや、JTAが大半の株式を保有しているRACでこういった問題が発生していないのは意外に感じました。経営的には統合されていたとしても決済システムはそれぞれの裁量で導入が行われているのではないかと思います。

関連リンク

最後に

不確実な情報が多いためあまり書けることはありませんでしたが、一応気になったのでまとめてみました。利用者目線からするとそこまで大きく困ることはないかと思いますが、サービスの利用先が破産したことによってこういったことに巻き込まれるのは避けたいな…という気持ちになりました。

飛行機の中で動作するシステムを開発している企業はそこまで多くはないと思って官報にかじりついたのですが、思ったより破産事件が多かった上に情報量が少なかったため当該アプリ開発会社を明らかにすることが出来ませんでした。情報として十分でないため、掲載するかどうか迷いましたが一応調べたという記を残しておきたいということで掲載することにしました。どなたかの参考になれば幸いです。

Writer

Osumi Akari

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