令和最新版個人サイトの更新通知について考える

RSSって不便だけど割と便利だし、SNSばかりに新着通知を担わせるのも難しいし / 2025年11月27日

私はこのサイト「Osumi Akari.jp」を運営しています。このサイトは私 (とClaude Code) によって作成された「Miller」という名前の11tyベースのフレームワークで構築されています。

必ずしも「Webサイトというのは存在しているだけで人がやってくる」というわけではなく、ある程度は記事を追加したことなどを適切に通知することによって外部から人々を呼び込まないと、せっかく書いた記事を読んでくれる人が残念ながらいないということになってしまいます。このサイトは「ネットの海に流しておきたいと思ったものを取り敢えず置いておく」というスタンスで運営していますが、一応は人の子ですのであまりにも読んでもらえないとちょっと寂しいという気持ちを持たないか、と聞かれれば「No」とは言えません。

というわけでこの記事では 2025年の世における「個人サイト」の新着通知はどうするべきか について軽く書いていきたいと思います。これらの施策をやって完全に上手くいっているというわけではないので、「成功談」みたいな話ではないことに留意してほしいですが、この見にくい個人サイトの運営者が

結論

  1. RSS 2.0を基本としているが全文配信ではない
  2. SNSで更新通知するのは正直少し面倒
  3. えーあい時代に最適かどうかはよく分からない

RSSフィード

わざわざ明言しているわけではないですが、このサイトではRSSを全記事のもの及びカテゴリ別のものを配信しています。例えば https://www.osumiakari.jp/feed.xml を適切なフィードリーダーに設定していただくと、カテゴリにかかわらず私のサイトの全記事の情報が配信されます。また、 https://www.osumiakari.jp/feed/tech.xml を設定していただくと技術カテゴリの記事の情報が配信されます。

この機能はMillerに対して行った今年7月の11ty移行に伴って新規に追加した機能です。このサイトは2022年から運営していますが、実はこの3年間くらいRSSを実装していなかったということになります。それまではこのサイト自体に新着通知の仕組みは全くなく、Google検索等や偶然アクセスした人によるリンク共有などに頼っていました。

いわゆるRSSフィードには「RSS 2.0」と「Atom」という2種類が存在します。これらはどちらもXMLをベースとしたものです。どちらも新着情報等を記述するための規格ですが、RSS 2.0はシンプルですが記述力に限界があり、Atomは強力ですが実装が若干面倒といった違いがあります。私のサイト(というよりMiller)では「RSS 2.0」のみを採用しています。

Atomは強力なフィードが書けますが、それが十分かといえば否と考えています。埋め込み等を活用することが当たり前となり、JSを実行しないと出力されるHTMLが明らかではないような現代において、十分な記述を行おうとすれば結局はCDATAを活用して(無理にXMLではない)HTMLを書く羽目になりますし、リーダー上での動作がどうなるか不明瞭なJavascriptを付けるというのは良心に反します。私のサイトでも地図やSNS・YouTubeの埋め込みを多用していますので、心配の種となってしまいますし、ホワイトリスト形式で「フィルタリング」した結果のみをフィード出力する、といった機能を付けることも技術的には可能でしょうが、実装のコスパが大変に悪いので行っていません。

その点、RSS 2.0は記述力が無いといわれていますが、各記事のタイトル・URL・description・日付という、何が入るか予想が十分に可能で新着通知を行う分には十分な機能が既にありますので、RSS 2.0を使っています。まあ、Atomを実装してほしいという意見があれば実装をぼんやりと検討しますが、そんなへんてこな人はいないと思いますので、今後ともRSS 2.0のみの配信を続けていきたいと思います。

令和のRSS購読

RSSはWebサイト側としては作成する必要がありますが、読者側に立ってみるとXMLを取得できたところで、そのままでは何も嬉しくありません。そのXMLを適切に解釈し、なおかつ定期的に取得する適切な「RSSリーダー」が求められます。

私はThunderbirdを使用し、私のサイトに限らず各種RSSを購読しています。個人的な意見ですが「外の世界から飛び込んでくる情報」という意味ではメールとRSSフィードは類似しているため、一緒に見れるのはかなり便利です。ただ令和の世の中でRSSを購読するというのははっきり言って難しいものとなっています。Thunderbirdの他にVivaldiや拡張機能であるFeedbroなどを活用することで簡単にRSSを購読可能ではありますが、RSSのためだけにこれらを活用するというのも微妙なものです。

FeedlyInoreader、毛色は異なりますがFlipboardといった、サーバーを介したフィード取得ツールは個人的には非本質的というか、情報と情報の間に「余計な」ノードが挟まっているような気がして「ちょっと違う」ような気持ちはしています。サーバーを介したフィード取得ツールの派生形としてWebhookに変換しSlack等に通知する場合もありますが、これも間に余計なノードが挟まっているものとなっています。

というわけで令和においてRSSを「素直に読む」ことは残念ながら難しいものとなっています。このため、RSSのみを新着通知の手段として活用するのは少々難があるといわざるを得ません。

はてなブックマーク

はてなブックマークは、日本のソーシャルブックマークサービスです。実は一時期私は記事を投稿した際に簡単なコメントと共に私のサイトをブックマークするということを行っていました。しかしながら、Googleに対する大きなシグナルにはなったものの、適切なコメントを付けるというのがなかなか難しいのもあって、次第に行わなくなってしまいました。

またはてなブックマークにおいては「初速」が求められるとされています。少なくとも記事に3つのブックマークが無いと「新着」には載らないようで、自分でブックマークを行ったとしても大きな効果とはなりません。スパム抑制の観点からして理解できるものではありますが、自分から火をつけられない(?)というのはちょっと残念なものといえます。

SNSにおける通知

他の手段としてSNSにおける通知が挙げられます。私は@[email protected]というFediverseアカウントを保有しており、記事を書いた際にはそこにおいて各種適切と思われるハッシュタグをいい感じに付けてリンクの投稿を行っています。これによって様々なFediverseの世界からのアクセスがあるのですが、正直多数あるとは言えません。

そのため、少々寂しいという気持ちがあります。というわけで私はBlueskyOsumi Akari.jp Update Notice(手動)(@www.osumiakari.jp)というアカウントを作成し、Fediverseへ投稿したテキストを多少短縮して同じような投稿を行っています。しかしながら、これの効果ははっきり言って Fediverseにも満たないもの となっています。Blueskyの公式アプリから私のサイトへアクセスが行われた際、 go.bsky.app がリファラとして記録されます。この数が極めて少ないのです。もちろんこのサイトにBluesky経由でアクセスしていただく方の中には公式アプリでないサービス( deck.blueなど )からアクセスしてくださる方もいらっしゃるのではないかと思っています。しかしながら、多くの人々は公式アプリを使用していると思われる(これはある種の偏見ですが)ことを鑑みると、効果は極めて薄いものではないかと思っています。

というわけで、私は大嫌いなイーロン・マスクが所有しているTwitter(現: †X†)になぜか居座っている、イーロン・マスク信者たる多数の人々に対してアプローチを行うため、Bluesky同様のTwitterアカウント「@osumiakari_jp」を作成してみることにしました。初めてのツイートに近しいものとして、この記事を広報するツイートが流れることとなります。せっかくクリックしてここまで読んでくれた方が離脱しないことを祈っています。

ちなみにGrokによれば、このサイトの記事の内容は多くの人々にとって参考になり有用ではあるが、Xでのアプローチが弱いがために人々に読んでもらえていないとのことです。大噓ではないとは思いますが、適当なこと言っているんじゃないよとも思います。

えーあい時代のXML

私はいわゆる生成AIにコンテンツを読んでもらい、世界を私色の思いで染めたいと思っていますので、各種AIのクロールに対して一切の制限を行っていません。Cloudflareの機能の1つとしてクロールに来たAIの一部を見ることが出来るのですが、毎日70回ほどのクロールが安定して見られます。

ここにおいて特徴的と思われるものとして、 sitemap.xml に対してそれなりのアクセスがあることが挙げられると思います。GoogleやBingが見るのは当たり前といえば当たり前なのですが、OpenAIやAnthropicといったAI企業のクローラーからもある程度のアクセスがあります。

これは sitemap.xml がWebサイト中に存在するURLの一覧として有用というのもありますが、XMLによって構造化されており、生成AIによって理解しやすい形式になっていることが一つの要因であるのではないかと考えています。GoogleのVertex AIのヘルプによると、プロンプトの構造化にXMLを活用することが出来るとのことです。

すなわち生成AIにおいてXMLの構造が受け入れられやすいといえます。そう考えると、RSSを実装していることの効果が直接的ではない形で出てくるようになってきている可能性があると思っています。今後これを意識してRSSを実装するサイトが出てきたら面白いと思っています。

最後に

前回の技術に関する記事: DC間の光ファイバー切断でInternet Archiveの複数サイトがダウン、21日夕方にはほぼ復旧

というわけで半分ポエムのような記事でした。最初に書いた通り「成功談」としての記事ではありません。このページに対して「旧来のSEOが終わりつつある今やるべきこと35選!」みたいな記事の中身を期待してやってきた方には申し訳ないですが、結果として令和の世の中の個人サイトにおける新着通知はなかなか難しい、といった結論になってしまったのではないかと思います。

最後になりますが、可能であればRSSの購読やFediverse(@[email protected]のフォロー(とリノート等)をしてくれると少し嬉しいです。このようなコールトゥーアクション(CTA)を観察してしまうと、反射的に求められている行動とは逆の行動をとってしまう私がこれをやるのもなんですが、一回も言わないというのも違うと思ったので言ってみました。今後ともこんなへんてこな記事ばかり公開することとなりますが、何卒よろしくお願いします。

Writer

Osumi Akari

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