新年度の諸々も落ち着いてきたこの頃、毎年丸亀製麺は期間限定商品の刷新を行っています。大してトマトが好きでもない私にとってトマたまカレーうどんは食指が伸びないのですが、新作として なすおろし冷かけうどん が出たとの情報をキャッチしました。
4月に冷やし系のメニューを出すのは早い気もしますが、最近はゴールデンウィークに気温が30℃近くになることもあるため、その可能性を織り込んでのリリースということでしょう。茄子の揚げびたしは普通に好きなので期待が大きいものです。この記事では実際に注文した上で感じたことなどを簡単にまとめてみました。参考になれば幸いです。
結論
- 基本は美味しい
- 無駄にトッピングが多い印象
- 「さっぱり」感はいらない
要素が無駄にいっぱい
先述の通りこの時期はトマたまカレーうどんの季節です。丸亀製麺は特設ページを設けてまで猛プッシュを行っています。しかしながら正直トマトが好きでもなくカレーうどんが大して好物でもない私にとってはあまり嬉しくない季節です。
そのような中で「なすおろし冷かけうどん」が新作として提供されていることが、トマたまカレーうどんのプレスリリース内に紛れていることに気づきました。並で790円と、通常のトマたまカレーうどん並サイズよりも100円安くお手頃感も感じられます。
というわけでメニューページを見てみると、プレスリリースと同様に美味しそうな雰囲気が感じられました。ただ、そこに書いてある構成要素を書き出してみると以下になります。
- 特製だしを含んだ揚げなす
- 冷かけうどん専用に仕立てた特製だし
- やさしい甘みの刻みきつね
- のど越しの良い冷うどん
- 味変わりのかつお節
- レモン
- 大根おろし
これは不安要素です。丸亀製麺ではこうした季節限定メニューにおいても、加熱を必要とする肉うどんなどでない限りは提供時点でこうした要素が全て載せられて出てきます。こうした調理は基本的にうどんをゆでる担当者の1人か2人のみによって行われていることが常であり、提供に時間がかかってしまう上負担が大きいのではないかと感じてしまいます。
というわけで実際に注文してみると、初めに冷えたうどんを用意しつつ、調理台下の収納から事前に調理された茄子の揚げびたし・事前に刻まれた油揚げ・レモンが取り出されてました。冷えたうどんが器に盛られた後、茄子の揚げびたし・油揚げ・レモンに加えて、卓上の大根おろし・しょうががかけられた上で、一斗缶中に入れられた氷水の上に浮いている容器より、冷たいかけうどん用の出汁をおたまで掬ってかけられていました。
鰹節は並行して提供されている梅とろろ豚しゃぶぶっかけうどんと共通のものでしょうし、出汁は例年夏に提供されている冷やしかけうどんと同様のものでしょう。油揚げは通常トッピングの油揚げを刻んだものでしょうし、新たに用意されたのは茄子の揚げびたしくらいで、 店舗側の事前の用意の負担は小さいでしょうが、提供時の負担は極めて大きいように感じました 。
まだまだ始まったばかりであり、店員さんも何を乗せればいいのか若干戸惑いながら調理していた様子が見られました。これらの要素がいい感じに絡まってプラスに働いているのならば問題ないですが、前回の「こく旨豚玉ぶっかけうどん」において嫌な経験をしてしまっていることから一抹の不安を感じてしまいました。トッピングでねぎやわかめなどを別皿に盛って着席しました。
素晴らしいうどん

初めにこのうどんのメインである茄子の揚げびたしを食べてみましょう。茄子の揚げびたしを作る際、茄子の種をどうするかは人それぞれかと思いますが、この揚げびたしは綺麗に種が取り除かれていました。個人的には種の周りに付いている柔らかいところも好きなのですが、洗い物のことなどを考えるといい判断だったと思います。
茄子の揚げびたしにはきちんと出汁の味(しかもかけ出汁とは異なる風味)が浸透しており、 うどん無しでも美味しくいただける仕上がり だと感じました。茄子も柔らかく、それでもって苦味などを感じさせないものでしたので出来は素晴らしいものだと思います。天ぷらと同じノリで別のうどんにもセットにさせてほしいくらいです。
次に目立つ刻まれた油揚げは、存在感がいい意味で際立っていました。この油揚げはかなり甘めの味付けであり、塩味方向にどうしても寄ってしまうこのうどんの中で異なる方向性を示してくれました。通常の油揚げは200円もするので頼んだことはありませんが、丸亀製麺アプリでクーポンが回ってきた時に試してみようかと思いました。
そして通常の温かいかけうどん向けではなく、冷やしかけうどんに最適化されたかけ出汁がこれら茄子の揚げびたし・油揚げ・うどんに調和しています。これは毎年冷やしかけうどんが出てくる際に楽しみにしているかけ出汁で、これが使われていることによって(温かいかけうどんに比べて)冷えて締まったうどんの強さと出汁がバッティングすることなく、程よい強さで食べ進めることが出来ました。
そして鰹節の存在が素晴らしいものです。私がこれを食べた店舗は出汁サーバー設置店舗でしたので、温かいかけうどん向けの出汁と飲み比べてみたのですが、冷やし向けの出汁は白出汁のように旨味は強いものの、魚そのものの主張は強くなく、どちらかと言えば優しい塩味の方向を向いているものでした。もちろんそれ自体は良いものの、出汁単体で見た際に魚の旨味だけではない雑味の中にある複雑な美味しさを感じることが出来ないという欠点があります。
この欠点を上に乗せられた鰹節が補うという構成になっているのです。 旨味を支える優しい塩味に特化した優等生チックな出汁に、魚の旨味としては扱えない部分の美味しさが加わる ことでよりうどんを楽しむことが出来ました。冷やしうどんに限らず、無料トッピングに鰹節が加わればよいのになと感じました。
玉に瑕
ただ、このうどんも完璧とは言い難い点がいくつか存在します。全体として優れたうどんであることには疑いないですが、より良いうどんになってほしい思いからいくつかの点を指摘させていただきます。
はっきり言えることとして、 レモンと大根おろしは明らかに不要 です。「さっぱり感」を出そうとしているのでしょうが、大根おろしは主張が強いと言い難く、器の中に盛られて出されてしまうため、辛み成分が出汁の中に広がってしまい大して意味のあるものになりえていません。
そして レモンはこの組み合わせには合わないセレクト であり、なぜわざわざ店員さんの手間を増やしてまで載せているのかが謎です。「さっぱり感」を与えたいならば、有料トッピングとしてすだち(買っている人を見たことありませんが…)を提供しているため、素直にすだちにすればよかったのではないかと思います。
また、しょうがは無料トッピングとして恒常的に提供されているものであり、お客さんが求めていようがいまいがかけられるというのは非効率であると感じました。出汁サーバーが設置されている店舗で温かいかけうどんを頼むと「サーバーから自分で出汁を入れてください」というようなセルフ化を試みている店とは思えません。しょうがが入っていること自体に文句はなく、プラスであると感じていますが、 店舗運営という観点から見た際の一貫性のなさを感じてしまう場面 でした。
さらに、これは毎年思っていることですが、かけ出汁やぶっかけ出汁などを除いた、通常提供されていないタイプの出汁などを提供する際の方法をいい加減改善するべきだと考えます。今回冷やされた状態を維持するために、一斗缶に氷水を入れ、その中に浮かばせた容器の中に入れた冷やしかけうどん用の出汁を店員さんが掬っていました。
しかし、浮いている容器の中から出汁を取り出すというのは困難であるというほかありません。出汁サーバーのようなものを設置できる能力があるのであれば、そのような取ってつけたような対策を繰り返すのではなく、より提供が行いやすい形式の開発を行ってほしいと感じています。そうすれば提供速度が上がる上、店員さんの負担も軽くなるという誰も困らない世界を作り出すことが出来るのではないかと思います。
親会社であるトリドールは「省人化・機械化を進める流れが主流となっていますが、トリドールHDは「人」が持つ無限の可能性を追求してきた歴史を踏まえ、敢えて省人化・機械化とは真逆の方向に進む」としていますが、それは非効率・不要な手間を放置するということでは無いはずです。本当に従業員の心の幸せを大切にするのであれば、そうしたところから負担を軽減する姿を、お客さんである私に見せてほしいものです。
関連リンク
- なすおろし冷かけうどん - 丸亀製麺
最後に
前回のごはんに関する記事: 個性が強い色々な味が無駄にぶつかり合う丸亀製麺の「こく旨豚玉ぶっかけうどん」を食べる
この時期に投入する必要性については若干疑問ですが、基本的には美味しいうどんでした。プレスリリース曰く、「今年は春からの気温上昇を見据え、例年より約1.5か月早く販売。暑さが本格化する前から、季節の変化に先回りした商品をご提案」とのことで、梅雨の時期に出しているものがいつもよりも早く出てきたというような形らしいです。この記事を書くためになすおろし冷かけうどんを食べた際は全然暖かくなかったため、その読みが当たるかどうかはまだ分かりませんが、もし暑い日に出くわしてしまった場合は食べてみると良いのではないでしょうか。