「NOT A HOTEL」は、ホテルのようなサービスが付帯している別荘を、丸々1棟購入するのではなく年間ごとの宿泊数ごとに購入できるサービスであり、ある種の不動産商品です。運営会社は2026年10月2日に社名を「NOTA株式会社」に変更しており、移動・住宅・街づくりに事業領域を拡張することを表明しています。
この「NOT A HOTEL」は2024年の秋に運営会社の100%子会社として「NOT A HOTEL DAO株式会社」を立ち上げ、RWAトークンと称した「 NOT A HOTEL COIN (NAC)」の販売を開始しました。2024年12月7日には20億円分のNACを販売し、当時として日本国内最大のIEO(Initial Exchange Offering)を成し遂げたとしています。
ところで、令和8年度の金融商品取引法(金商法)改正によって、主に暗号資産に関する制度が大きく変化しました。一般的には金融資産としての分離課税が着目されていますが、暗号資産に対してもこれまでも異なる規制が行われることとなっています。この記事ではNOT A HOTEL及びNACについて外部から観察できる範囲の情報をまとめ、今後どのような方向に向かっていくのかを想像していきたいと思います。
結論
- NACの価値の源泉のほとんどはNOT A HOTEL次第
- ブロックチェーン上の保有者はわずか20アドレス
- 金商法改正によって開示情報の増加に期待
NOT A HOTEL COINの使い方
2024年12月にGMOコインに上場したNOT A HOTEL COIN(NAC)は、NOT A HOTEL株式会社(現: NOTA株式会社)の100%子会社である「NOT A HOTEL DAO株式会社」が発行するERC-20トークンであり、GMOコイン及びCoincheckで購入することが可能です。
NACの主な使い道は、NOT A HOTELへの宿泊の対価として用いることとされています。保有者はNACをNOT A HOTEL DAOに貸し出す(レンディングする)ことで、NOT A HOTELの宿泊権を受け取ることができ、貸し出したNACは期間の終了後にそのまま返還されます。同社はこの仕組みを、NOT A HOTELに「実質無料」で泊まれると説明しています。宿泊権の代わりに、利回り相当分のNACを受け取るレンディングも用意されています。
また、NACは滞在時の食事などの付帯費用や、物件オーナーが支払う管理費などの支払いにも使うことができます。支払いの際には、取引所での価格が1NAC=1,000円を下回った場合でも「実質1,000円相当」で支払える特別割引施策が設けられています。活用場面はこれに留まらず、2025年9月には晴海に所在する「$NAC(スナック)」という"コミュニティースペース"において支払いに使用することが出来るようになったことが公表されています。

図としてまとめると上に示したような関係図となります。興味深い点としては、購入者が日本円を用いてNACを購入した後、NOT A HOTELグループから基本的に直接的な体験かNACでのみの形で対価を受け取ることとなるという点です。GMOコイン・Coincheckを通してNACを売却することで日本円を得ることは出来ますが、これは同時にNACの持つ特典を失うこととなります。
20億円分の使い道
NOT A HOTEL DAOはIEOによって20億円を調達したことが知られていますが、当然ながらこの20億円をそのままプールしているわけではなく、何かしらに使用していると考えられます。IEO時にGMOコインが公開している「NOT A HOTEL COIN の販売及び取扱いに関する開示情報 」においては、NACの扱い及び調達した資金をNOT A HOTEL DAOがどのように活用する予定であったことかを把握することが出来ます。
同開示情報によると、NOT A HOTEL DAOは「調達資金は、”NOT A HOTEL”の購入のほか、新規物件開発用地の購入、事業運営に使用する。」としており、調達した資金を親会社等が保有する持分の購入や新規不動産開発のために用いるとしていました。2027年3月期に売上2.68億円・営業利益5427万円で、経常利益は営業利益と同額、つまり営業外の収入をまったく見込んでいませんでした。

親会社等が保有する持ち分の一例としては上の画像のようなものです。ここで示したものはNOT A HOTEL AOSHIMA B棟(SURF1)の登記簿の一部であり、親会社が持っていた持分のうち365分の4をNOT A HOTEL DAOが取得していることが読み取れます(最も下に記載)。
これらの事業計画がどのようになったのかは、2026年9月に公開された「NOT A HOTEL COINに関する定期情報開示」で確認することが出来ます。同定期情報開示においては、NOT A HOTELの関連で取得した不動産・権利について以下のようにまとめられています。
| 取得元 | 取得した権利 | 金額 | 支払い方法 |
|---|---|---|---|
| NOT A HOTEL株式会社 | 2025年度入り後の竣工済み物件(MINAKAMI TOJI他) 共有持分 4日/365日 |
84,449,600円 | IEO調達資金 |
| NOT A HOTEL または NOT A HOTEL 2nd | KITAKARUIZAWA BASE S 共有持分 50日/365日、 BASE M 共有持分 40日/365日 |
96,495,666円 | IEO調達資金 |
| NOT A HOTEL 2nd | KITAKARUIZAWA BASE M 共有持分 100日/365日、 AOSHIMA GARDEN 共有持分 30日/365日 |
183,666,667円 | 保有NACで支払 |
| NOT A HOTEL株式会社 | 2026年4月開業のSETOUCHI 共有持分 4日/1095日 |
35,592,266円 | 保有NACで支払 |
| NOT A HOTEL株式会社 | 2026年7月開業のKITAKARUIZAWA BASE L 共有持分 12日/365日 |
22,205,040円 | IEO調達資金 |
| NOT A HOTEL株式会社 | 2026年8月開業のAOSHIMA CHILL2.0 共用持分 4日/365日、 AOSHIMA COAST 共有持分 12日/1460日 |
30,483,200円 | 保有NACで支払 |
確かに物件の購入に使用されてはいますが、その額は小さなものとなっています。さらに営業利益はマイナス1億円を超える一方、営業外収益として年間1.2億円の「利息」がNOT A HOTEL DAOに支払われていることが確認できます。すなわち資金の使い道は、親会社への共同開発の貸付というような形で、DAOが自分で資産を持つ形から、親会社への債権を持つ形に変わったということです。
また、NOT A HOTEL DAO自身が保有しているNACについても言及が行われています。NOT A HOTEL DAOは2026年7月31日時点で、合計118万7588NACを保有しているとしています。内訳としては以下の通りで、 保有しているNACの大半はレンディング であることが分かります。
- IEO時に自己に割り当てた分: 11万9567NAC
- レンディング預かり分や付帯費として受け取った分: 106万8021NAC
IEO時に事故に割り当てたNACは45万NACなので、IEO以降に約33万NACが先に示した物件購入や、"レンディング"の利息などとして市場サイドに放たれたと考えられます。なお、定期情報開示において、冒頭に
NOT A HOTEL DAO株式会社の財務情報は2026年6月30日時点、事業の進捗状況・資金使途・保有する暗号資産の状況は2026年7月31日時点、株主や組織に関する情報・新規暗号資産の市場価格推移は2026年8月31日時点の情報を開示しております。
とあり、定期情報開示中において使用されているデータの日付が異なる点に注意する必要があります。
「レンディング」
先に言及した通りNACの保有者は、NOT A HOTEL DAOに対して"レンディング"を行うことによって、NOT A HOTELの宿泊権、または利回り相当分のNACを受け取ることができます。先に示した通り、発行済みの200万NACの半数以上はレンディングに回っています。宿泊などで実際に消費されたNACが約3.6万枚(1.8%)に留まることを踏まえると、 レンディングはNACの使用方法のメイン となっていると言えます。
ただし、このレンディングの法的な性格には注意が必要です。NOT A HOTEL DAOは、レンディングの契約を消費貸借 として定めています。消費貸借とは、借り手が受け取ったものを自由に使い、後で同じ種類・同じ数量のものを返す契約形態です。つまり、 レンディングに出したNACは、一旦保有者の手を離れてNOT A HOTEL DAOが使えるもの となり、保有者の手元に残るのは「期間の終了後に同じ数量のNACを返してもらう権利」、すなわち同社に対する債権だけになります。
ここで問題になるのが「所有権」です。そもそも暗号資産は、日本の民法上、(少なくとも他社に預けた)所有権の対象にならないと思われます。2014年に破綻した暗号資産交換所Mt.Goxをめぐる訴訟で、東京地方裁判所は2015年8月、ビットコインには有体性も排他的な支配もないとして 所有権の対象にならないと判断し、利用者による返還請求を退けました。
仮にNOT A HOTEL DAOが経営破綻した場合、レンディングに出したNACを「自分のものだ」として取り戻すことは難しく、保有者は他の債権者と並ぶ一般の債権者として、同社に残った財産から配当を受けるにとどまる可能性が高いと考えられます。現行の資金決済法のもとでは、こうした暗号資産の借入れに分別管理の義務は課されていません。
返還や宿泊権の提供を支えているのが誰か、という点も重要です。NOT A HOTEL DAOの事業計画では、本業の営業損益は赤字が続く見通しで、利益の柱は親会社であるNOTAへの貸付から得る利息です。 保有者が受け取る宿泊権の原資は、最終的には親会社の支払い能力に依存している と言えます。また、レンディング期間中に取引所でのNACの価格が下がっても、保有者は途中で売ることができません。同社は宿泊を「実質無料」と表現していますが、価格変動の損失は全て保有者が負うことになります。
なお、NACをレンディングしても、保有者がNOT A HOTELの物件に対する権利を得るわけではありません。登記簿によれば、物件の権利(信託受益権の持分)を持っているのはNOT A HOTEL DAO自身であり、IEO時の開示書でも、発行者がNACの保有者に対して負う債務は「該当なし」とされています。法的にNACの保有者が持っているのは物件そのものではなく、 あくまで暗号資産とレンディングに出した場合の同社に対する債権 であるため、「NOT A HOTELをみんなで保有」という同社の宣伝文句をそのまま受け入れるのは危険と言えます。
ブロックチェーンに刻まれている保有者は20アドレス
NACはイーサリアム上で発行されているERC-20トークンであり、本来であればそのやり取りは公開ブロックチェーンであるイーサリアム上に刻まれるはずです。NACのコントラクトアドレスは 0xEB2C61b7199214B868e776A6ff062e57EF095bE5 ですので、Etherscanにおいてトークンの動きを確認してみましょう。

2026年10月10日午前9時時点において、 イーサリアム上で確認できるトークンの保有者は20アドレス、NACが絡むトランザクション(やり取り)は96件 となっています。NOT A HOTEL DAOの加入者は公開されてはいませんが、イーサリアム上で確認できる20アドレスのうち、少なくともNOT A HOTEL DAOのアドレス・GMOコインのアドレス・Coincheckのアドレスが存在するはずですので、これより少なくとなってしまうということはあるのでしょうか。IEO時の購入申込者は3000人を集めたと言われており、本来的にはそれに見合ったアドレスがイーサリアム上で確認できるはずです。
トランザクションは2026年10月10日午前9時時点で96件に留まっており、うち36件はCoincheckでの扱いが始まる直前の2026年10月に集中していることを鑑みると、これまで 恒常的な取引はGMOコイン内部で行われていたことが示唆 されます。規約上ここでは直接紹介できませんが、Bubblemapsなどを用いることによってもGMOコイン及びCoincheck間でのやり取りや、NOT A HOTEL DAO自己保有分とみられるクジラの存在などが確認することが出来ます。
暗号資産交換業者と出庫
一応はGMOコイン・Coincheck双方で出金自体は可能となっており、いくつかそのように見えるトランザクションは見られます。ただし、その額は極めて少数であり、NOT A HOTEL DAOにおいても"外部アドレス"における保有を前提としていないサービス提供形態ですので、これを行うメリットはほとんどないと言えます。

GMOコインにおいては、最小1NACから外部に出庫できることが示されています。しかしながら先述の通り、NOT A HOTEL DAOとしては"外部アドレス"における保有を前提としていませんので、出庫を行うメリットはほとんどないと言えます。

また、Coincheckにおいては送金手数料として7NAC(約7000円)を要求しており、よほど高額のNACでなければ出庫するメリットはありません。なお、CoincheckにおいてはCoincheck貸暗号資産サービスに対応している旨が示されていますが、これがNOT A HOTEL DAOにおいてどのように扱われるかは現状では不明です。
金商法改正とNAC
令和8年度の金融商品取引法改正に伴い、暗号資産に関する規制の多くはこれまでの資金決済法から金融商品取引法へと移りました。これは暗号資産を「決済手段」というよりも「金融資産」として扱うという姿勢の表れと言え、それに伴って当局による規制は株式や投資信託などといった金融資産側に寄ったものとなります。
これに伴って、NACの発行体であるNOT A HOTEL DAOも開示する必要がある情報が変化していくと見込まれます。改正法のうち暗号資産に関する部分は2027年中の施行が見込まれており、具体的な開示項目の多くは今後定められる内閣府令に委ねられていますが、大きな方向性はすでに示されています。
これまでの資金決済法の下では、新規の暗号資産を販売する際の情報開示は、主に暗号資産交換業者を通じた業界の自主規制によって行われてきました。NACの場合も、IEOを担ったGMOコインが2024年10月に開示を公表し、その後はNOT A HOTEL DAOが任意の形で「定期情報開示」を出しています。これまで開示を行うのは事実上発行体ではなく交換業者であり、発行体自身に法律上直接課される開示義務は限られていました。
改正後は、これが大きく変わります。(発行体が明確な)暗号資産の発行者自身に、
- 発行量や希薄化のリスク
- 調達資金の使途
- 事業計画とその進捗状況
などを開示する義務が課される見込みです。売出しの際の財務情報には原則として公認会計士の監査が求められ、事業年度ごとの定期的な公表も必要になります。虚偽の記載には課徴金や刑事罰が科されうるほか、インサイダー取引規制や、価格を固定・安定させる目的の取引の禁止も導入されます。 既に流通している暗号資産についても、施行後一定期間内の情報公表が求められる見通し です。
改正後の金商法とNAC
こうした項目をNACに当てはめると、これまでの開示との間にいくつかの論点が浮かび上がります。まず事業計画と進捗です。先に示した通りIEO時の開示書では、2027年3月期に約5400万円の営業利益を見込み、営業外の収入は計画に含まれていませんでした。ところが2026年9月の定期情報開示では、同じ期の営業損益は約1億円の赤字とされ、経常黒字は親会社であるNOTAとの共同開発にかかる貸付の利息に頼る計画になっています。
調達資金の使途も、IEO時は「物件の購入、新規物件開発用地の購入、事業運営」と説明されていました。ところが 現在は親会社への貸付が収益の柱となっており、その金額や条件は開示されていません 。
発行量と希薄化についても同様です。NACの追加発行自体は行われていませんが、IEO時に発行者が保有するとされた45万NACは、2026年7月末時点で約12万NACまで減っています。差の約33万NACは、レンディングの利息やキャンペーン、物件の購入代金として市場サイドに出ており、これは販売量200万枚の16.5%に相当します。
また、発行済み250万枚のうち、販売分と発行者保有分を除いた5万枚の扱いは、IEO時点から説明されていません。さらにIEO時の開示書には、ホテル運用で得た資金でNACを買い戻して消却(バイバック)し、その状況を定期開示で報告するとの記載がありましたが、例示された買い戻し比率は「●%」のまま空欄で公表されており、定期情報開示にも実施の記載は見当たりません。
「DAO」の体制とレンディング
体制面では、NOT A HOTEL DAOには登記上、会計監査人が置かれていません。また、同社は親会社や、中古物件の売買を担うグループ会社のNOT A HOTEL 2ndから、物件の共有持分を自社発行のNACで購入していますが、その際の価格の決め方は開示されていません。グループ内取引の条件が開示項目に含まれるかどうかは府令次第ですが、事業計画の妥当性を判断するうえで欠かせない情報と言えます。
グループ内取引と言えば、ここ2年ほど話題に上がっている 「みんなで大家さん」と重なる面 があります。みんなで大家さんは共生バンクグループ内での不動産取引を行う際に、その評価額を本来の数十倍以上に吊り上げることによって、過剰な出資金を集めることに成功していました。「みんなで大家さん」の出資金の多くが出資者に対して返金されていないことを鑑みると、グループ内取引が適正に行われているか否かは注目の点と言えます。
さらに、販売量の半数を超える約103万NAC(51.4%)がNOT A HOTEL DAOへのレンディングに回っています。改正法では レンディングも規制の対象となり、利用者へのリスク説明や管理体制の整備が求められます 。現状において金商法改正施行後におけるNOT A HOTEL DAO自身のレンディングが改正後にどう位置づけられるかは、まだ明らかになっていません。
ただし、 開示の強化はNACの仕組みそのものを変えるわけではありません 。これまで示して着た通り、発行体はNACの保有者に対して債務を負っておらず、保有者が円に戻す手段は取引所での売却に限られます。改正法がもたらすのは、これまで外から見えにくかった事業の実態を、発行者の法的責任の下で見えるようにするという点ではないでしょうか。その開示が、IEO時に示された約束とどこまで整合するのかが、今後の焦点になるのではと考えています。
関連リンク
- NOT A HOTEL DAO
- ERC-20 Token | Address: 0xEB2C61b7...7EF095bE5 - Etherscan
- 【IEO締切間近】今迷っている方に読んでいただきたい、暗号資産NAC(NOT A HOTEL COIN)でできること(大久保貴之 / 岡本伊津美) - あたらしい経済
- Coincheck販売所において10月8日よりNOT A HOTEL COIN(NAC)取扱い開始 - コインチェック株式会社
最後に
もちろん、現状では外見上NOT A HOTELの事業自体は問題なく稼働を続けており、NAC自体も価格を保っています。しかしながらNACを日本円として取り返すには暗号資産交換業者を通すしかなく、売却が集中した際にIEO価格を大きく下回る可能性は高いという点は気になります。
さらに万が一NOT A HOTELが破綻した際には、NOT A HOTEL以外でNACを支払い手段として用いることは困難であるため、保有を続けたとしても価値がなく、NAC保有者はNOT A HOTEL DAOが保有する不動産などに関する権利はなく、NOT A HOTEL DAOはNOTA株式会社の100%子会社であるため、意思決定にかかわることも出来ません。
暗号資産として見た場合に、資産としての価値は直接的にはほとんどなくNOT A HOTEL自体の価値に大きく連動しており、DAOと称しつつもガバナンストークンとして使用できないという点は明らかにおかしいと言えます。さらに交換業者の外部で使用することを前提としていないことから、 本質的に暗号資産である必要がなく 、NOT A HOTEL視点で言えば本人確認が金融機関レベルで行われたという利用者を安定的に確保できるに過ぎないものです。ただ、NOT A HOTELのファイナンス手法として見た場合、株式の希薄化を起こさず、銀行借入のような担保設定も不要で、実質的に無利子に近い形で長期資金を調達しつつ利用者を確保できるという点では「非常に優れている」と言えるでしょう。
他にもNOT A HOTEL DAOはIEOで20億円分を調達しつつ、その20億円の使用目的が2年も経たない間に大きく変質しているということも不安材料と言えます。実質的に収益構造が変更されており、その変化の形態自体も市場の変化などで説明できるような類のものではないと思われます。これに関しては、より詳細な説明を少なくともNAC保有者に対しては行うべきなのではないでしょうか。
いずれにしても、今後NOT A HOTEL DAO側からの情報開示がこれまでと比較し、外部から見た際においてもより明瞭になることが期待されます。これまで日本で流行した「シェア別荘」の類の多くは、日本の観光地に廃墟を多数発生させ、登記簿上で買い手が付かない持分を大量に発生させただけにすぎません。幸か不幸かNAC保有者には登記簿上で担保されるような権利がありませんので、NAC自体が上手くいかなかったとしてもそれ単体では問題はないでしょうが、そのような事態に陥った際に果たしてNACだけで済むのかというような問題は、十分に解決されていないような気がしてなりません。