何回も地球を輪切りにした記事から話を始めてしまいますが、地殻やマントルなどは「何で出来ているか」で、リソスフェアやアセノスフェアは「どれくらいカチコチなのか」で分類されているとしました。
分類基準が異なるので、当然ながら異なる概念です。しかし現実問題として「地殻」と「リソスフェア」は混同されがちな概念です。ここでは何が違うのかをはっきりさせておきたいと思います。
結論
- だ・か・ら、分類基準が異なるんだってば
- リソスフェアは「地殻+マントルの上の方」
詳しく
個人的になぜ混同されがちなのかは一切分からないのですが、「地殻 リソスフェア 違い」で検索するとものすごく引っかかるので、悩んでいる方も多いと思います。ざっくりわかる図としては以下のものがあるでしょう。
恐らく上記のPowerPointで3分もかけて作られた画像が一番わかりやすいかと思いますが、めちゃくちゃ単純に地面からの距離で考えればこんな感じになります。もちろんこれだと名前が変わっているだけのようにしか見えないのでもう少し詳しく見ていきましょう。
地球を輪切りにした記事で触れたとおり、地球の中身をどのように分類するかによって、それぞれの呼び名は決まっています。それは「何で出来ているか/どれくらいカチコチなのか」です。
「何で出来ているか」というのはそのままの意味で、化学的に何で出来ているのかが異なります。地殻は地表からモホロビチッチ不連続面までの範囲で、地震波の速度によって決まっています。大陸のものと海洋のもので大きく内容が異なるものの、マントルにおいては橄欖岩がメインであるのに対し、地殻においては二酸化ケイ素が相対的に多い(というよりマントル内に二酸化ケイ素が少なすぎる)、苦鉄質岩・中間質岩・珪長質岩からなっています。
これに対して「どれくらいカチコチなのか」というのは若干イメージしづらいかもしれません。しかし同じ固体だからといって、豆腐と鉄塊では明らかにカチコチ具合は異なりますよね。固体/液体/気体などと一塊で考えがちですが、「どれくらいカチコチ」なのかは連続的に考えるのだな、と思えば理解できるかと考えます。
この考え方を地球に適用すると、地殻からマントルへと移り変わると何で出来ているのかは大きく異なります。しかしカチコチ具合は大きく変化せず、マントルのうち地表に近い部分は比較的固体のゴム板のように振舞います。このゴム板のように振舞う部分が「リソスフェア」と呼ばれています。
最後に
以上ざっくりと地殻リソスフェアの違いについて書かせていただきました。なるべく難しい用語を使わないようにしましたが、見返すとまだまだ改善できる余地があるとは思うので、CC BY-SAライセンスに従い、より良い記事をネットに公開する方がいらっしゃれば幸いです。
2個前の記事で「記事のウェイトを軽くしつつ~」とか書いていますが、単純に私が固体地球に詳しくがないために時間がかかっていたことが証明されつつあって嬉しくもあり悲しくもあり…といった気分ですね。そろそろ地表に出られるかと思うのでこれからも頑張ってやる気がまだあるうちに書いていこうと思います。
前回のざっくりわかる固体地球シリーズ: かんらん岩とは何ぞ
関連リンク
- 地球内部の動き - NHK高校講座