マグマが出てこない水蒸気噴火

噴火と言いつつマグマが出てくるわけじゃない / 2022-08-02T00:00:00.000Z

生卵を割らずに電子レンジへと入れて加熱したらどうなるかご存じでしょうか?

「生卵 レンジ」で調べることによって簡単に答えを知ることが可能であるため、どうなるかは言いませんが、まあ悲惨なことになります。どうしてこんなことになるのかといえば、「水が水蒸気になることによって体積が大きくなるから」という文に集約されます。

今回はこの「水が水蒸気になることによって体積が大きくなる」ということが重要な、水蒸気噴火(水蒸気爆発)についてざっくり見ていこうかと思います。

結論

  1. 熱が伝わる
  2. 水が水蒸気に
  3. 地面を吹っ飛ばす

詳しく

前回もこの仕組みにざっくり触れさせていただいたのですが、もう一度確認しておきましょう。

水蒸気噴火の概要

画像にある通り、水蒸気噴火においては直接マグマが地表へと出てくるわけではありません。地下水が温められ、電子レンジに入れた生卵のように地表を吹き飛ばすというものです。

個人的には水蒸気噴火という方がマグマ噴火と語感が合わせやすくて好きなのですが、マグマが地表へと出ていないという理由で水蒸気爆発と表記される方も多数いるので注意していただければ幸いです。

噴火そのものの仕組みについてはこれで終わってしまうのですが、さすがに短すぎるのでもうちょっと関連することについて書いていこうかと思います。

水蒸気噴火の被害

地面が吹き飛ぶ「だけ」と考えると大したことないかもしれないと思うかもしれません。しかし、残念ながら水蒸気噴火でも周辺地域に対して大きな影響を及ぼしてしまいます。

大規模な水蒸気噴火の例として挙げられるものは、やはり峰が一つ吹き飛んだ「1888年の磐梯山噴火」だと思います。詳しいことについては良質な記事に認定されているリンク先のWikipediaを読んでいただきたいのですが、集落を3つ地面の下へと葬った上に岩屑なだれで河川の流れを変え、火砕サージで森が焼かれるなどといった凄惨な災害の一つです。

火山災害単体で見たときに日本史上最大と言われる477人の方が無くなった他、集落の集団移転や水害の発生といった問題を生じさせました。しかしこのような災害も、メカニズムとしては水蒸気噴火(水蒸気爆発)に含まれます。そのため軽くスルーされがちな水蒸気噴火ですが、十分注意が必要であるといえます。

最後に

前回は噴火のタイプというタイトルで、「噴火」と呼ばれているものの概観を示しました。今回は水蒸気噴火とその被害について扱ったので、次回はしっかりマグマが地表へと出てくるマグマ噴火について触れていこうかと思います。

Writer

Osumi Akari

Category