AnthropicのAIチャット「Claude」が利用規約を遅くとも9月28日に変更

チャット内容をデフォルトで学習に使用するように変化 / 2025年08月30日

AI企業Anthropicが開発するAIチャットである「Claude」は、その高い性能や先進性で人気となっています。また、AnthropicはAIの倫理と安全性を重視していることでも知られており、私のようにそれを理由としてClaudeを採用している人々もいます。

8月29日にAnthropicはClaudeの利用規約とプライバシーポリシーを更新する旨を既存のユーザーへと通知しました。この記事ではそれをまとめつつ、これによって起こる変化についても簡単に書いていこうかと思います。

結論

  1. Claudeの利用規約とプライバシーポリシーが変更
  2. 既存ユーザーは9月28日までに変更に同意する必要がある
  3. デフォルトで学習に使用されるようになった他、データ保持期間が5年に延長

Claudeの利用規約

Claudeはネットワーク越しにAnthropicのサーバーで実行されているサービスであるため、当然ながらAnthropicが定めた利用規約が存在します。利用規約はこちらから、プライバシーポリシーはこちらから読むことが可能となっています。そしてこれはAnthropicによって更新されることがあります。

今回の更新内容についてはこちらの公式ブログ(英語)に詳細に書かれています。ここにおいて大きな点として以下の2つが挙げられています。

  • デフォルトでチャット内容の学習をすることとした
  • 学習を許可した場合、データの保持期間が5年に

この2つはどちらも重大な変更と言えます。今までAnthropicはユーザーのデータをデフォルトで学習しないこととしており、一部フィードバックのために活用されることはあっても限定的な活用と言えました。しかしこれが反転し、特に設定をしない場合はデータを5年間保持された上でAIモデルの向上に活用されるとのことです。これらの変更について遅くとも9月28日までに同意する必要があり、同意した時点で新しい利用規約が適用されるとのことです。なお、この規約変更はClaudeをFree・Pro・Maxプランなどの形で利用しているユーザーに対して適用されるもので、API利用やClaude Gov、Claude for Educationといった利用形態であったり、Amazon BedrockやGoogleのVertex AIなどの第三者のサービスを経由するものに影響しないとのことです。

Anthropicは公式ブログにおいてこの変更の理由として、「モデルの安全性を向上させ、有害なコンテンツを検出するためのシステムをより正確にし、無害な会話にフラグを立てる可能性が低くなります。また、将来のClaudeモデルがコーディング、分析、推論などのスキルを向上させ、最終的に全てのユーザーにとってより良いモデルにつながるのにも役立ちます。」と説明しています。これらの学習に関しては更新通知画面においてオフに出来る他、後述する手法においてオプトアウトすることが可能となっています。なお、オフにした場合においてもこれまでと同様のサービスを継続して受けることが可能で、データの保持期間も従来の30日のままとのことです。

オプトアウトの設定方法

学習に同意してしまった後においてやはり学習に使用されたくないと考えなおしたり、反対に学習に積極的に使ってもらいたいと考えなおしたりすることがあります。そうした場合においてはClaudeの設定画面において容易に設定を変更することが可能となっています。

ここではClaudeをWebブラウザから使用している場合について設定変更の方法を説明しています。デスクトップ版では同じ手法で変更できることを確認していますが、モバイルアプリにおいても同様かどうかは確認していませんので、その点はご容赦ください。

Claudeの左下にあるメニューを開いた様子に加筆した画像

始めにClaudeの左下にあるアカウント名がある箇所をクリックしメニューを開きます。公式FAQには

It’s up to you to choose whether to allow your data to be used to improve new Claude models and you can change your choice anytime in your Privacy Settings.

とあり、「プライバシー設定」をクリックしたくなってしまうかもしれません。しかしながらClaudeのメニューにおける「プライバシー設定」項目はCookie等の設定となっており、ここにおいて設定したいものとは異なっています。Claudeに入力したデータをオプトアウトしたい際には、「設定」を選択し、その中にある「プライバシー」の項目中にある「Claudeの改善にご協力ください」をオフにする必要があります。このリンクをクリックすることによって、直接設定中の「プライバシー」を開くことも可能です。

Claudeの「設定」のうち「プライバシー」の部分のスクリーンショット

これによってオプトアウトを行うことが可能となっています。しかしながら学習を許可していた段階でトレーニングに使用されてしまったものについて、その部分に関してだけ都合よく削除することは技術的な観点から見ても困難です。そのため、使用を開始する前にこうした設定を行うことが重要であると言えます。

最後に

Claudeはかつてデフォルトで学習にユーザーからのデータを使用しないことをある種押し出していたので、今回の変更に対して理解はできるもののちょっと残念なお知らせではあります。他社のAIチャットと比較すればまだ良心的なオプトアウト方法が提供されているので、これがどんどん悪化していかないことを祈っています。

個人的には以前から言われている通り学習用データの不足が一つの動機になったのではないかと考えています。インターネット上で使用可能となっている学習データが「枯渇」してきている現在、新たなデータとして自らのサービスに飛び込んできてくれたデータを活用しない手立てはあまりないかと思っています。また、ここまで来てしまうと言語モデルそのものを良くするというよりも、AIチャットに実際投入されたデータをトレーニング活用することによって、AIチャットとしての性能を上げていくループを構築する方向を向き始めているのではないかとも思っています。実際のところどういった判断が行われているかは部外者の私が知る方法は無いですが、今後の様子を見守っていきたいと思っています。

Writer

Osumi Akari

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