無印良品ネットショップが「物流障害の影響」で一時ストップ

同時期にランサムウェア被害を公表したアスクルの影響の可能性も / 2025年10月20日

無印良品ネットショップは、その名前の通り無印良品の製品をインターネット上で購入できるオンラインストアです。店舗では手に入らない商品を扱っている場合もあり、無印良品を利用される方の多くが利用していると考えられます。

この無印良品ネットショップは、20日午前0時現在、システム障害として一時的にサービスの提供を中止しています。

結論

  1. 「物流障害の影響」で一時ストップ
  2. 実質的にほぼすべての機能
  3. アスクルロジストの親会社が現状ランサムウェア被害に遭っている

ネットストアの物流障害

無印良品は19日22時26分に以下の投稿を行い、一部サービス等が停止している旨を発表しました。

ネットショップへアクセスしようとすると以下の画像が表示されてしまい、Webサイトから立ち去るといったことしかできない状況となっています。「現在、一時的なシステム障害のためネットストアを停止しております。」とあり、以下に説明する詳細な状態を簡潔に表しています。

10月19日23時30分に撮影した無印良品ネットショップのスクリーンショット。「現在、一時的なシステム障害のためネットストアを停止しております。」と表示されている。

ツイートに添付されているリンク先によれば、

  • ネットストアの閲覧およびご購入
  • マイページ・チェックイン機能
  • 月額定額サービスへのお申し込み
  • 一部WEBコンテンツの表示

の機能に関して、19日21時頃からサービスの提供を停止していることが明らかとなっています。これによって実質的にネットショップのほぼ全ての機能が使用できない状況となっており、購入した商品の確認すらできない状態となっています。

この原因は「ネットストアの物流障害」とされており、詳細は不明となっています。ただし「物流障害」とされているため、ネットショップそのものの機能が維持されていることは分かります。状況としては注文がなされたとしても出荷や配送に問題があることから、注文を行えない状態に置き混乱を最小限にしようとしているのではないかと考えられます。

アスクルロジスト

アスクルロジストは、事務用品等の通販事業等を行っている「アスクル」の100%子会社です。親会社であるアスクルの物流部門を2005年に分離してできた会社であるということもあり、当然ながらアスクルの物流を担っているのですが、それ以外の企業から受託して物流を担っています。

親会社であるアスクルは、19日夜にランサムウェア攻撃を受けたことを公表しており、公式声明によると、注文の停止のみではなく出荷の停止まで影響が出ている形となっています。各種回収サービスの休止にまで影響を及ぼしており、アスクルの物流サービス全体がストップしてしまっている形となってしまっています。

2024年度版のアスクルの統合報告書の93ページによると、システム障害やサイバー攻撃を「全社トップリスク」に位置付けており、これに対して「サーバー増強・分散化・最新化、通信回線容量増強、基幹システム等の二重化・バックアップ体制の整備、セキュリティ強化等」で対処するとされています。このうちバックアップの体制がきちんと整備されていれば、長期的な影響が抑えられるかと思われます。しかしながら、現状それがどの程度実践されていたのかが不明瞭な形となっていますため、長期的な影響の有無に関しては現状不明です。

無印良品ネットショップネットショップのFAQによると、無印良品ネットショップの宅配の一部に、アスクルロジストを使用していることが分かります。タイミングとしては18時頃に第1報を出したアスクルの物流部門の影響が、一定の時間をおいて無印良品へと伝わり、無印良品の内部で物流の影響を考慮しネットストアの注文を止めたということが考えられます。

これが無印良品ネットショップのいう「物流障害」と同一の事案であるかどうかは不明ですが、時系列としては符合しているという形になります。

最後に

確定している事実としてはほとんどないのですが、現状明らかになっている情報ベースで記事を書きました。今後情報が更新される可能性が高いですので、その情報を解釈する糸口として活用していただけますと幸いです。

また、アスクルロジストが受託している外部の企業は良品計画のみではないため、アスクルのランサムウェアに関する問題は今後とも影響が拡大していく可能性があります。それも合わせて最新情報を適宜得ていただけますと幸いです。

Writer

Osumi Akari

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