Internet Archiveの「WaybackMachine」が503エラーで利用できない状態に

過去のWebを確認できない状態が遅くとも日本時間12時15分から記事公開時まで継続中 / 2025年11月20日

アメリカ合衆国に本拠を置く非営利団体「Internet Archive(IA)」は、WWW等に公開された情報のアーカイブを継続的に行っています。特にInternet Archiveが運用している「WaybackMachine」においては、過去のWebサイトの状態を確認でき、消失してしまったWebサイトの閲覧や現存しているサイトでも記述の変遷等の調査を可能としています。

しかしながら、遅くとも日本時間の本日(11月20日)12時15分から、503エラーのためWaybackMachineが利用できない状態となっています。この記事では現在確認できている状態に関して簡単にまとめます。

結論

  1. 遅くとも日本時間12時15分から、WaybackMachineが503エラーを出している
  2. 時折成功するが、常用できる状態にない
  3. 現状公式からの言及無し

503エラー

筆者が13時過ぎに、WaybackMachineを利用するためWebサイトを訪問したところ以下のようなエラーが出ました。

WaybackMachineのWebサイトにおける503エラーのスクリーンショット。2025/11/20、日本時間13時05分時点。

503エラーはサービスが一時的に提供できないことを示すエラーです。この場合においてユーザー側が行えることはほとんど存在せず、一定時間を空けて再度アクセスを試行することくらいしかできません。しかしながら、10分おきにキャッシュを破棄した上でアクセスの試行を行っているのですが、同様のエラーが繰り返し表示されるのみとなっています。

Twitter(現: X)において検索を行ったところ、日本時間12時15分時点で、503エラーを出しているため使用できないことがTwitterユーザーによって報告が行われています。すなわち、この時点で問題が発生していたということになります。

また、海外の複数のTwitterユーザーも、同様のエラーが出ていることを報告しています。このことから、WaybackMachineが全世界的に利用できなくなっている可能性があります。

現状Internet Archive本体のサイトに対してはアクセス可能な形となっています。このため、問題が発生しているのはWaybackMachineのみであると考えられます。当方において、本体のサイトにおいてアーカイブされている本やビデオ等へのアクセスには問題ないことを確認しましたので、これらについては現在でも利用可能となっています。

Internet ArchiveはMastodonアカウントを保有していますが、記事公開時点で本問題に関する投稿は見受けられません。また、Twitterアカウントも同様で、WaybackMachine用のアカウントにも情報はありません。このため、現状では公式情報が存在しない状態となっています。

最後に

前回の技術に関する記事: 東海大学の業務委託先がランサムウェア感染を報告、4月の事案とは異なる

元々Internet Archiveは不安定なサービスではありますが、停止状態が2時間以上も続く事態は稀です。昨年の10月10日頃にユーザーのデータ流出を伴う攻撃を受けて長時間ダウンしていたことはありますが、これは特異なものです。

こうしたWebアーカイブを提供するサービスは、WaybackMachine以外にはウェブ魚拓archive.todayといったものしかなく、極めて希少なものといえます。早くオンライン状態へ復帰し、これまで通り消失してしまったWebサイトの閲覧や現存しているサイトでも記述の変遷等の調査が出来るようになることを祈っています。

Writer

Osumi Akari

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