共テ2024年基礎無し地学大問4を勝手に解説

知識問題がかなり多い気がする / 2024-01-18T00:00:00.000Z

共通テストとなって3回目の試験が2024年1月13日・14日に行われました。というわけで2024年基礎無し地学を勝手に解説していきたいと思います。さすがに全ての内容を一日の記事にしてしまうと長くなってしまうので大問ごとに分割してみました。この記事は大問4について扱っています。それでは、見ていきましょう。

注意

  • この解説に付き、大学入試センターやその実施大学と一切関係はありません。
  • 著作権関係の問題が発生する可能性がありますので、試験問題そのものの転載はしておりません。そのため大学入試センターや新聞社のWebサイトなどから問題を入手されることをおすすめします。
  • この記事における内容の正確性は一切保証しておりません。

問1 - 水銀柱の問題

教科書でもお馴染み、水銀柱の実験を基にした問題です。この実験において水銀柱は大気圧に押されることによって試験管中を上昇します。圧力が上がればより高く、下がればより低くなります。これを理解しておけば簡単な問題です。

どちらの選択肢も気圧が低下する状況で、水銀柱は下がるべき場合です。このため正答は3番です。

問2 - 大気を暖める層

二酸化炭素に代表される温室効果ガスは地表付近の温度を上昇させます。温室効果ガスはそれ自体が暖めるというよりは与えられた熱を「逃がさない」といったイメージが正しいですが、どちらにせよ地表面を暖めます。また温室効果ガスは二酸化炭素だけだと思っている人もいるようですが、他にメタンや水蒸気が存在することが知られています。

成層圏では確かに上部に行けば行くほど温度が高くなっています。成層圏においてはオゾンの生成と破壊による気温の上昇、及び気圧の低下によって加熱が容易になるといった特徴がありますが、どちらにしてもオゾンによる温室効果によるものではありません。以上のことから正答は2番となります。

問3 - 水滴の核として適当なもの

水滴の核として適当なものとしては、少なくとも固体であることが必要とされます。オゾンの融点は80.7ケルビンですが、そこまで対流圏や成層圏は寒くなりません。というわけで正解は4です。

問4 - 飽和水蒸気圧と過冷却

過冷却水と呼ばれるものがあります。基本的に水は0度を下回ると凍ってしまいますが、ゆっくりと温度を下げていけば0度以下でも液体の状態を保っていられる場合が存在します。これが過冷却水です。

問題文にある通り氷と過冷却水においては飽和水蒸気圧が異なります。飽和水蒸気圧は、これを超える圧力の中では水蒸気として存在できない圧力のことを表しています。この問題においては氷の場合においては飽和水蒸気圧を越えているものの、過冷却水の場合においては下回っている場合を考慮しており、この場合においては氷晶が出来ます。また水であったものも氷晶となります。というわけで正解は1です。

問5 - 黒潮が速くなる理由

大問1でも出てきた黒潮に関する問題です。黒潮はなぜ速くなっておりどのような流れであるのでしょうか。

まず地球は自転しています。その影響によって海水は西側に押し付けられるような形になり、西側の海流が早くなります。これを一般に「西岸強化」と呼びます。また左右のバランス、転向力と圧力傾度力がちょうど釣り合った流れのこと一般に地衡流といい、海洋でも大気でも発生します。このことから正答は1となります。

問6 - 黒潮を綺麗にカット

先述の地衡流、転向力と圧力傾度力がどのようなものかを理解していれば簡単な問題です。まずA-Bにおいては流れを2つ跨いでいますから3と4は弾けます。また地衡流においては右の方が高くなることから正解は1となります。

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最後に

大気・海洋においては、しょうがない部分もあるもののどうしても知識問題が多くなってしまう傾向がありますが、今年は特に多かったと感じます。それでも問4はちょっと考える要素があり、このような問題が増えると楽しいなと思いました。

Writer

Osumi Akari

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