競技プログラミングコンテストサイト「AtCoder」は、競技プログラミングに必要なシステムを備えており、ABC・ARCなどのコンテストを定期開催しています。ユーザーはこれらのコンテストなどに参加し、その結果を通して自らの競技プログラミングスキルを「レーティング」という形で示すことが可能となっています。
6月29日、AtCoderはX及び公式サイトにおいて、AtCoderに提出されたユーザーのコードを2026年8月以降にAI事業者等に販売することを発表しました。この記事ではその概要とオプトアウト設定に関して簡単にまとめます。
結論
- 2026年8月より、提出されたソースコード等をAtCoderがAI事業者等に販売することを発表
- 過去の提出も販売対象に
- 各ユーザーはオプトアウト設定可能、個々の提出のみのオプトアウトも可能
提出コードを販売
2026年6月29日、AtCoderはX及び公式サイトにおいて利用規約等を更新した旨をユーザーに対して通知しました。これは8月よりAI事業者等に対してユーザーによる提出コードを販売する目的で行われたものだということです。

今回の更新においてAtCoderは、利用規約において
弊社は、ユーザから許諾を得て、機械学習等の学習データとして用いるため、AI開発者等の第三者に対し、当該ユーザによって本サービスに投稿された回答データ、これに関連するログデータ及びメタデータ、並びに、当該ユーザが許諾したデータを、無償又は有償で提供することができるものとします
といった項目を追加しています。従前より「本規約の施行前にユーザによって行われた行為についても本規約が適用されます」という附則が存在しているため、過去の提出コードに関しても販売が行われるものとなっています。
AtCoder社の代表取締役である高橋氏は、X上で過去にクローラーからの過大なアクセスがあった旨の投稿を行っています。同投稿においては、今回の販売開始はクリーンな形でのデータ提供手法を整備することが競技プログラミングに資するとの判断であるとしています。
正直、秒間100アクセスくらいAI系の収集botからのアクセスがあったので、それで疲弊しながら無断でデータを全部持っていかれるくらいなら、売った方が競プロ界のためになるよね、って気持ちの施策です。どこがコードを持ってったかは把握してるので、ぜひこれを機にクリーンなデータにしてもらえると!
— chokudai(高橋 直大)@AtCoder (@chokudai) June 29, 2026
設定方法
設定の無い場合は、AI事業者等に対し販売を許可する状態となっています。このため、特にAI事業者に対する販売を拒否したい場合は注意が必要です。2026年7月末までに設定を行えば、それに応じた条件で販売が行われるとしています。なお、2026年8月以降も各ユーザーが設定を行うことは可能ですが、反映に最大で1週間程度かかる可能性があるとしています。

基本的にはユーザー単位の設定となります。各ユーザーはログインした状態で設定ページを開き、「全ての提出データおよびAIへの学習を禁止する」チェックボックスへのオンオフを行い、更新することによってユーザー単位での設定をすることが可能です。

それぞれの提出に関しても個別に許可・禁止することが可能となっています。過去の提出も含めて、個別の提出ページ上に「AIへの学習/販売を個別に拒否する」ボタンが設置されており、「基本的には許可したいものの、この回答のみは提出したくない」といった場合の対応も可能となっています。
関連リンク
- AtCoderにおける提出ソースコードのAI事業者向け販売と、それに伴う利用規約・プライバシーポリシー変更についてのお知らせ - AtCoder
- 学習用データ販売と拒否設定 - AtCoder Info
最後に
前回の技術に関する記事: 「zJPYC」がPolygon上で一般利用可能に、送金・受取アドレス間の関連性をなくしプライバシーを向上する選択肢
ユーザー報告によれば、この発表に合わせて一部AIサービスからのアクセスを拒否しているようです。どのような形態による販売になるかは不明ですが、今後の競技プログラミング及びAIの発展により良い形となることを祈っています。