火山灰と水が混ざってしまった火山泥流

街全体がなくなることも / 2022-08-20T00:00:00.000Z

前回の記事で火山泥流についてある程度はっきりしたことは無いのですが、取り敢えず無視して今回は火山泥流の被害などについてざっくり説明していければいいなと思っています。

結論

  1. 水と火山灰などが混ざりあう
  2. 川沿い全部埋め尽くすことも

水と火山砕屑物

「火山砕屑物」、かっこよく(?)言えば「テフラ」というものがあります。火砕流の話で軽く触れましたが詳しい話は次回に譲るとして、テフラというものは大まかに言えば「溶岩以外の噴火の時出てくる固体」と捉えていただいていいでしょう。有名なものとして火山灰がありますね。

さてこの火山砕屑物は出てきた後大人しくしていてくれるということは無く、重力流として流れてくることがままあります。その一つとして火山ガスと混じった状態で流れてくる「火砕流」というものがあります。もちろんこれはめちゃくちゃ危ないのですが、もう一つ触れておかなければならないものとして今回紹介させていただく「火山泥流」です。

火山泥流とは何かという話は前回で色々考えてみましたが、ここでは「水と火山砕屑物が混ざりあって流れる一次的な流れ」とさせてください。一次的というのは、「初めて流れ始めた」という言葉が一番わかりやすいでしょうか。

火砕流と火山泥流の異なる点としては、火山泥流には多量の(液体としての)水が含まれているという点でしょうか。火砕流/火砕サージでは基本的にアッチッチな状態で流れ込んでくるので基本的に数百度という温度を持っていますが、火山泥流はそこまで熱くありません。他にも流速にも差があり、火山泥流は土石流と似たような速度(速くても時速百数十km)で流れてきます。

しかしながら熱くないとはいえ危険なことには変わりありません。また降雨による土石流とは異なり、発生に関して様々な策があるものの不確実性の多い噴火予知を用いる必要があり、先回りした避難誘導が必要であるという点があります。そのため住民の日常生活を捨てさせることになる「避難」の

ラハール

火山泥流と同一視されることもある概念として「ラハール(lahar)」というものがあります。個人的には区別したいのでh2で区切りました。

ヒンディー語で「波」を意味する用語であり、日本語の感覚で近しいものといえば「山津波」とでも言えばいいのでしょうか。火山泥流の発生条件を見直してみると、

  1. 火山砕屑物の存在
  2. 水の存在

が挙げられます。日本では水は降雨によって与えられる印象がどうしても強いのですが、雪解けによっても大量の水がもたらされます。もちろんこの雪解け水は恵みでもあるのですが、そこに火山砕屑物が存在してしまうと火山泥流の発生条件を容易に満たしてしまう上、大規模な泥流と化してしまいます。

アルメロの悲劇

この大規模な泥流、そしてそれが流れた跡地のことを「ラハール」といい、有名なものでは1985年のネバドデルルイス火山の噴火、通称「アルメロの悲劇」があるといえるでしょう。

これはアルメロというコロンビアの都市の西、約100kmにあるネバドデルルイス火山が活動を開始し、しばらくは小康状態が続いていたのですが1985年9月11日に噴火に勢いが付き始めて、11月13日に本格的な噴火が起きたことによる災害のことを指します。噴火そのものはそれほど大規模ではなかったものの、コロンビアという赤道直下の国でありながら標高が高いことに起因し、ネバドデルルイス火山の山腹から山頂にかけては雪が積もっていました。そして火山活動によってもたらされた高温の火山砕屑物と融けてしまった雪が混じり合ったことによって、ネバドデルルイス火山から東へ向かうラハールが発生してしまいました。

このラハールは非常に大規模であり、2時間ほどかけてアルメロまでたどり着いてしまいました。そしてアルメロの人口は当時30000人程度と考えられているのですが、そのアルメロで23000人ともいわれる方がラハールの下へと沈んでしまわれました。つまりアルメロのほとんどが地中へと埋まってしまったということです。

ちなみにこの災害については人災の面も多々あり、事前にハザードマップでアルメロがラハールに巻き込まれうることが示されていた上、観測から火山活動の活発化も報告化されていました。しかし当時のコロンビアが混乱していた関係から偽情報が多かったため信頼されなかったこと、市長が混乱を収めるために「噴火はない」と発言していたこと、そしてアルメロで祭りが行われていたことが被害拡大の要因となってしまいました。

噴火後のアルメロの町は数km北へと移動し、ラハールの上は広大な墓地となっています。

参考文献

  • 西本晴男「火山地域における火山泥流,泥流,土石流の表現方法に関する考察」『砂防学会誌』第63巻2号、2010年、26-37ページ、ISSN: 2187-4654、NAID: 130004716576、DOI: 10.11475/sabo.63.2_26
  • 佐野弘好 『基礎地質学ノート』古今書院、東京、2019年6月6日。ISBN 978-4-7722-3191-6。 NCID BB28302674。OCLC 1109731739。OL 31934583M 国立国会図書館書誌ID:029674063 全国書誌番号:23233011

最後に

次回のざっくりわかる防災シリーズ: 大正関東地震をざっくりと理解する

前回も思ったのですが、用語がふんわりしているものを扱うのはちょっと難しいですね。